上石原若宮八幡神社
上石原若宮八幡神社は、調布市にある、近藤勇の生家の氏神です。
甲陽鎮撫隊で甲州に行く近藤勇が、故郷の上石原村を通った時、駕籠から降りてこの神社を遥拝（遠くから拝むこと）しました。
ここでは上石原若宮八幡神社を紹介します。
調布市上石原若宮八幡神社のアクセス・基本情報
上石原若宮八幡神社のアクセス・基本情報
住所 | 調布市下石原3-5-1 |
アクセス | 京王線西調布駅から徒歩7分 |
駐車場 | あり 神社に向かって左手の女坂から入って境内に停められる |
関連サイト | 調布市公式サイト「上石原(かみいしわら)若宮八幡神社本殿」 |
上石原若宮八幡神社の地図
上石原若宮八幡神社と近藤勇関係の見どころ
近藤勇の生家の氏神・上石原若宮八幡神社
参道入って右手の手水舎
近藤勇が近藤家に養子に入る前、生家の宮川家は上石原村の北の方にありました。
上石原村一帯は、この上石原若宮八幡神社を氏神にしていました。
昔は氏神と氏子の関係は今より密接だったので、お宮参りやお祭りなどで近藤勇もお参りしたことがあると思われます。
甲陽鎮撫隊で訪れた近藤勇が拝んだ上石原若宮八幡神社
「当神社と近藤勇との由来」の案内板
拝殿の右脇に、この神社と近藤勇の関係を説明した案内板があります。
京都・鳥羽伏見の戦いで敗れ、江戸に戻った後、近藤勇は甲陽鎮撫隊を率いて甲州（山梨）に向かうことになります。
大名格となった近藤勇は、大名が乗る格式の高い駕籠に乗り、故郷の上石原村に差し掛かります。
そこで駕籠を降りて、氏神の上石原若宮八幡神社の方向を拝礼し、戦勝祈願したと伝わります。
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若宮八幡の祭神は古くから戦勝祈願されていた武家の神様
参道入口にある由緒書き
「若宮八幡」と名のつく神社は全国にあります。
これは、「八幡神社」の祭神・応神天皇の息子にあたる、「仁徳天皇」を祀る神社です。
源氏や鎌倉幕府が信仰した八幡神社と同じく、武家に広く信仰された神様で、「武運長久」「勝負運」などのご利益が信じられています。
「戦勝祈願をして、勝って帰ったらその神社に寄進をする・お堂を建てる」などの行為が古くから行われていました。
これから甲州に向かう近藤勇にとっては、戦勝祈願をするのにふさわしい神社だったと言えます。
近藤勇が生きた時代から残される本殿（見えません）
拝殿は昭和のものだがこちらも彫刻が美しい
賽銭箱のある拝殿は昭和に建てられたもの。
その拝殿の奥に、1807年、近藤勇が生まれる前に建てられた本殿があります。
風化を防ぐため、本殿を覆うように覆殿（おおいでん）が建てられていて、外からは見ることができません。
本殿は市の指定文化財。総けやき造りで、彫刻が見事だそうです。
「凱旋」の石碑に宮川久次郎の名が
参道左手の凱旋碑
「ちょうふ八景」の碑のほか、「凱旋」と書かれた碑があります。
明治39年とあるので、日露戦争の戦勝記念の凱旋碑かと思われます。
「宮川久次郎」という名が載っているのですが、近藤勇が近藤家に養子に入る前の、生家の父の名前です。
出征した人の名ではなく、碑を作るのに寄進した人の名が刻まれているのかもしれません。
宮川久次郎の没年がわからなかったのですが、この年代に生きていたら90代にはなっているでしょうし、本人かどうかははっきりしませんでした。
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上石原若宮八幡神社には御朱印なし
上石原若宮八幡神社の社額
境内を掃除していた方に聞くと、神職の方は常駐しておらず、掃除をしているのは近所の氏子さんで、御朱印はやっていないとのことでした。
神札の問い合わせは布多天神社にという張り紙があるので、布多天神社の神職の方が上石原若宮八幡の神職を兼務している（兼務社）ようです。
布多天神社でいただける御朱印の中にも、上石原若宮八幡のものはありませんでした。
上石原若宮八幡神社の他の見どころ
神社前の案内板
鳥居に入る前の道にある案内板。調布八景のもの
神社に入る前、石垣のところに案内板があります。
はけの緑
上石原若宮八幡神社の狛犬と緑
今よりもっと緑が濃かった頃には、ここの緑は「はけの緑」と呼ばれ、鎮守の森として近辺の人の自慢だったそうです。
老木化による伐採でうっそうとした感じは減りましたが、いまだ緑豊かな雰囲気を味わえます。
境内社
境内社の辰巳稲荷神社
境内に辰巳稲荷社があります。
別の場所にあった稲荷社を移転したもの。
上石原若宮八幡神社の祭り
9月中頃、敬老の日付近に例大祭があります。
かなり立派なお神輿が出て、おはやしも聞けます。
近藤勇も氏神のお祭りには来たかもしれませんね。
上石原若宮八幡神社の由緒・歴史
拝殿の彫刻
創建の年代は詳しくはわかっていませんが、1676年より前と伝わります。
上石原若宮八幡神社周辺の新撰組ゆかりの観光スポット
西光寺
近藤勇が甲陽鎮撫隊で通りかかった時に休憩した寺。
洋装断髪の土方歳三や、斎藤一、永倉新八、原田左之助もいたと思われます（沖田総司は諸説あり）。
調布市郷土博物館
近藤勇の生家の復元模型や、西光寺の近藤勇像の原型があります。
