2019/4/28、平成最後の石田散薬製造体験会に行ってきました!
あくまで一ファンの体験ですが、来年以降行ってみたい方の参考になればと思うのでレポします。
石田散薬製造体験会に行ってみよう
石田散薬とは
石田散薬は、土方歳三の生家で作られていた粉薬です。
打ち身やくじき、骨つぎに効くと言われ、若い頃の土方歳三が薬箱をかついで、得意先に卸しに回っていました。
石田散薬の製造体験会はいつあるの?
毎年ゴールデンウィーク頃です。
詳しい日程は、近くなったら土方歳三資料館の公式サイトで確認です。
2019年は4月28日(日)でした。
石田散薬製造体験会に並ぶのは朝9時以降に
9時より前に並ばないよう、土方歳三資料館から注意が出ています。
住宅街で、周辺のお宅に御迷惑になると開催が難しくなるので、9時前に行かないようにしましょう。
用意する材料の関係から、定員先着300人なので、あまり遅くに行っても整理券がなくなります。
9時ぴったり~9時10分頃までには着けるように、調整しながら行くといいですよ。
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石田散薬製造体験会に行きました
石田散薬製造体験会の整理券
ぴったり頃に着くように行くつもりが、中央線が遅れて9:08到着。
土方歳三資料館前から、塀をぐるっと回ってにしくぼクリニックの向かいあたりまで行列になっていました。
9:25頃、スタッフの方が回ってきて整理券をいただけました。
260番代でした。
しおりとして使えるようになっているのが嬉しいですね。
裏も土方さん手植えの矢竹でかわいいです。
行列&土方歳三資料館の見学
みんなそのまま並んでいたので、なんとなくそのまま並んでいました。
後で知ったのですが、列を離れる場合はスタッフさんに言って2時までに戻ればいいそうです。
昼頃にはだいぶ列も短くなっているので、次に来る時は一度離れて昼過ぎに戻ろうかなと思いました。
10:12、門のところまで進みました。
それから10分ほどで資料館内部へ。
1時間10分ほど並んでいた感じですね。
土方歳三資料館は、この時期限定公開の土方歳三の愛刀、「和泉守兼定」の刀身や、50年ぶりの公開になる島田魁の脇差「土佐守藤原正宗」も公開されていました。
和泉守兼定は何度か見ていますが、土佐守藤原政宗は初めて。
貴重なものを見せていただきました…!
時間を置いて、館長・土方愛さんの解説があるので、それを聞いてから出ました。
矢竹の方に、今度は石田散薬製造体験の列ができていました。
「資料館はショートカットした」と言っている方もいたので、刀身公開中の別の時に資料館に来られる方は、サッと見てすぐ製造体験の方に並んでいたのかもしれません。
石田散薬グッズも資料館内で販売
石田散薬関連のグッズとして、石田散薬トートバッグを資料館内で販売していました。
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石田散薬製造体験列に並ぶ
10:53、資料館見学を終えて、石田散薬体験列の最後尾に並びました。
この列は庭の中をぐねぐねと曲がって続いていました。
途中、一度道の方に出るんですが、資料館前にテントが出ていて、土方歳三関連のお菓子などを売っていました。
ここで、土方歳三サイダーを買う人が続出。
お店の方が電話をかけて「歳三サイダーもうない?」とか聞いていました。
日差しが強くなってきた中で長時間並んでいたので、喉が渇きますよね…
私もお茶を持ってきていたのですが、温かいお茶の小さなペットボトルだった上、来る前から減っていたので途中で飲み干してしまい、そのあとはじりじり渇いていました。
資料館の近くにコンビニや自販機はあるのですが、途中で列を離れていくと並び直しになりそうでためらわれます。
水分は多めに持ってきておいた方がいいです。
石田散薬の作り方の掲示を見る
並んでいる間、「石田散薬と村順帳調査」という、石田散薬の取引先を調べたコピー製本の本が売っていました。
石田散薬原料のミゾソバなども展示されていて、その場にいたスタッフの方が石田散薬のことをあれこれ説明してくださり、興味深かったです。
さらに列が進み、テントを抜けてブロック塀沿いに行くと、石田散薬の作り方の掲示が。
この体験会までに、
- 大量のミゾソバの採取
- 水洗い
- 天日干し
- 茎から葉を取る
- 黒焼きにし日本酒をふりかける
などの手順が踏まれています。
天日干しは雨が降ったら取り込むそうで、「この時期は外出を控える」と書いてあり、並々ならぬ労力をかけてくださったことが伺えます。
体験会でするのは、その後の
- 薬研(やげん:薬を作る時に材料を粉末にする道具)で粉にする
- 薬包に入れる
という、散薬製造の最後の部分。
さらに列が進むと、
「本日の牛額草は『燃えよ剣』分倍河原の決闘場所で採りました」
という掲示もあり、テンションが上がります。
体験場所の手前の靴を脱ぐところまできたのが、11:57でした。
石田散薬原材料:ミゾソバ(牛革草・牛額草)
ミゾソバという草で、牛額草や牛革草などの名でも呼ばれます。
日野の用水や近くの浅川に生えていますが、現代は護岸工事で流れが変わったことなどで、生育場所も変わってきているようです。
いざ石田散薬製造体験!
順番が来て、薬研(やげん)の前へ。
薬研はいくつか並んでいて、それぞれの薬研にスタッフさんがついて教えてくれます。
スマホなどを預けて写真を撮ってもらうことも。
力を入れるのではなく、リズミカルに往復するのが大切と教わりました。
混じっている茎の部分がなかなか粉になりませんが、だんだん真っ黒に細かくなっていくのが楽しくて、無心で手を動かしてしまいます。
ほぼ粉にできたところで、それを容器に入れて、包む場所へ。
コップ型に折り紙した紙に、容器から散薬を入れ、さらに折り折りします。
できあがり。
これが、土方さんが売り歩いた石田散薬……!
おまけで、散薬には使わない茎の部分もいただきました。
土方歳三誕生祝シールも
終わった後はメッセージを書くノートがありました。
土方歳三誕生祝いのシールも貼ってきました。
所要時間
全部終わって外に出たのは、12:15でした。
並び始めてから3時間あまりかかったことになります。
資料館入場列は、門のところまでの短さになっていました。
資料館見学時間は人によって違うと思うので、まとめると
【9:08に並び始め、列を離れず並び続けた場合】
並んでから資料館入場まで 70分程度
資料館見学 人による
体験列に並んでから体験場所に入るまで 65分程度
体験場所に入ってから終わって出るまで 15分程度
です。
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再現!でき上った石田散薬
※現代の薬事法にのっとった薬ではないため、あくまで「記念品」としての持ち帰りです。
味を見るのは自己責任で。
色
真っ黒です。
味、匂い ※自己責任
匂いは干し草のような、焙煎したような香ばしい匂いです。
なんとなく落ち着く匂いですね。
自己責任でなめてみると、少し苦みがあります。
石田散薬製造体験会に参加して
こうすればよかったと思うこと(まとめ)
行列
スタッフさんに言って2時までに戻るなら、整理券をもらった後、列を離れることもできます。
そのまま並ぶと3時間コースになります。
12時過ぎに見た限り、資料館に入る列は門のところまで減っていました。
整理券をもらった後、スタッフさんに言って離れ、昼過ぎてから2時までの間に戻った方が、待ち時間は少なくて済むと思います。
次に参加する時はそうしようと思いました。
水分
持って行ったお茶が少なかったため、途中でなくなってしまい、体験列の最後の方はじりじり渇きながら待つことに。
資料館の近くにコンビニや自販機はあり、そちらで買い足してから並ぶつもりだったのですが、朝行って既に列が伸びているのを見れば、そっちに寄らずにすぐ並びたくなるのが人情…
家の近くとか駅とか、資料館近くに行く前に飲み物をゲットしておく方がいいと思います。
並びながら買えるのは、体験列途中で通りかかるテントの土方歳三サイダーだけで、終わった後見たら売り切れていました。
日よけ
この日は涼しかったのですが、太陽が出るとじわじわと炙られます。
長時間になるとけっこうダメージになるので、日焼け止め、帽子など、日よけ対策をしてきた方がいいと思います。
帽子にだいぶ助けられました。
感想
薬研でゴリゴリ粉にするのが、思いのほか楽しかったです。
無心でゴリゴリしていました。
土方さんもこの作業をしたんだろうと思うと、体験できて嬉しいです。
あと、完成した石田散薬が手元にあるのが、なんだかとても嬉しいんですよね。
土方さんも売り歩いた石田散薬、お守りにして部屋に飾っておきます。
体験したのは石田散薬を作る過程の最後の方でしたが、この体験会の前に、刈り取りや水洗い、天日干しに黒焼きなど、時間も手間暇もかかる作業を、土方歳三資料館や日野の皆さんがしてくださっていたのが、途中の展示でわかりました。
準備くださった資料館や日野の皆様や、当日のスタッフさん、大変ありがとうございました。
貴重な体験ができました!
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石田散薬について
新選組屯所にも常備された石田散薬
新選組屯所にも、石田散薬は常備されていました。
打ち身やくじき、骨つぎなどに効くとされていたので、隊務での怪我に備えていたのでしょうね。
沖田総司が飲んでいたのは「虚労散」
似たような製法で、日野宿名主の佐藤家(土方家親類)に伝わる「虚労散」という肺病の薬がありました。
こちらも新選組屯所に常備されて、沖田総司が飲んでいたと伝わります。
(現代にも似たような名前の薬がありますが、全く別のものです)
親類である土方歳三は行商の時、石田散薬と一緒にこの「虚労散」も扱っていたそう。
石田散薬を行商した土方歳三
土方歳三資料館に残っている、明治16年の村順帳に販売先がどこか書かれています。
土方家の親戚筋や、天然理心流の門人の家も多く、土方歳三は薬の行商をしながら、こういう家で剣の稽古をしていたのではないかと言われています。
石田散薬の販売先
土方歳三資料館に残っている村順帳では、400軒以上の販売先がありました。
名主や村方役のところに卸すことが多く、ほかに荒物屋、旅籠、醤油や酒造店など、有力者の家に卸していたようです。
江戸にも親類宅など、何軒も取次店がありました。
石田散薬の効能
昭和はじめのチラシでは、効能は打ち身、くじき、骨つぎ、筋つれなどとなっています。
石田散薬の飲み方
熱燗で飲んだと伝わります。
子供などは白湯で飲んでいたそう。